明治のレトロ建築を堪能。大人も楽しめる「国際子ども図書館」(上野)

レトロ建築好きの方におすすめな上野の「国際子ども図書館」。

「なんだ、子ども向けの図書館か……」と思ったそこのあなた、侮ることなかれ!
国際子ども図書館は、大人にとってもかなり楽しめるスポットなんです。

入館料無料で明治のレトロ建築を堪能できる穴場スポットを、たっぷりとご紹介します。

施設の歴史|上野「国際子ども図書館」

上野の「国際子ども図書館」は、国立の児童書専門図書館です。

現在の国際子ども図書館の建物は、1906(明治39)年に「帝国図書館」として建てられ、1929(昭和4)年に増築された明治期ルネサンス様式の建物を再生・利用したもの。

戦後、「帝国図書館」は「国立図書館」に名称が変わりましたが、1948(昭和23)年、永田町に「国立国会図書館」が創設されたのちには、同館は「国立国会図書館の支部図書館」という立ち位置になり、名称も「国立国会図書館支部上野図書館」に変更されました。

その後、児童書の専門図書館としての機能を果たすための改修を行い、2000(平成14)年5月にに国立初の児童書専門図書館として開館しました。

国立子ども図書館のおすすめポイントのひとつは、入館料がかからないところ。
●●邸、●●会館……といった歴史的建築物は、入館料を払って入るような場所も少なくありません。

「レトロ建築にまだ触れたことがない(でも興味はある)」という方にとっては、無料で気軽に見られる国立子ども図書館は、最初のきっかけとして良い場所なんじゃないか、と思います。

館内に飾ってある「国際子ども図書館」のミニチュア模型

館内は「レンガ棟」「アーチ棟」に分かれています。
ここからは、明治期の建物が残っているレンガ棟を中心に、内観をご紹介していきます。

レンガ棟:内部、大階段|上野「国際子ども図書館」

国際子ども図書館開館に向けての改修では、元ある建物の原型をなるべく保存しよう、と努めたそう。
そのおかげで、明治期の建物がしっかり残った造りとなっていて、レトロ建築好きとしてはかなり楽しめる内観となっています。

1階〜3階までは、吹き抜けの大きな階段となっています。
この場所にあるシャンデリア、ケヤキの扉、細かなデザインの階段手すりは、100年以上前の創建当時から使い続けられているものだそう。

扉のプレートには、「おす登(と)あく(押すと開く)」というが文字が刻まれています。

プレートに「おす登(と)あく(押すと開く)」の文字
「しめきり」のプレートが貼られたドア

随所にレトロなエッセンスが散りばめられていて、飽きない。

こちらは、旧帝国図書館で実際に使われていた「目録カードボックス」。
昔は当然パソコンがないので、書名や著者名などを紙の目録で管理していたそう。

レンガ棟では、児童書の歴史にまつわる展示をしているフロアもありました。
展示室の中は撮影NGだったので写真はありませんが、歴代の児童向け文学雑誌が展示されていて、なかなか興味深い内容でした。

レンガ棟:ホール|上野「国際子ども図書館」

レンガ棟内には、ホールもあります。こちらは、高い天井構造による音響効果を生かした音楽会や各種催しを行うスペースとのこと。
帝国図書館時代の図書館用品を含め、図書館の歴史や活動を紹介する展示コーナーもあります。

展示の一部・国際子ども図書館のミニチュア模型

ホールは広々として天井が高く、日の光もよく入るので開放感たっぷり。

南側には、ガラス張りのアルコーブ(張り出し窓)を設けられています。レンガ棟建物の外壁やレリーフ彫刻(メダリオン)を間近に見て、触れることができる仕掛けになっています。

レンガ棟:ラウンジ、カフェテリア|上野「国際子ども図書館」

平成期の改修工事でガラス張りのエリアが増設され、ラウンジとなりました。明治期の木製サッシや化粧煉瓦(白薬掛け煉瓦)は、元々中庭に面していた外壁で、それをそのまま保存しているそう。

一角には、「明治39年竣工時の建具を保存しています」の文字を発見。明治時代に実際に使われていた建物が令和の今も現役で使われていることに、なんだか感慨深い気持ちになります。

レンガ棟1階にはカフェテリアもあります。中庭のテラス席もあり、天気がいいときにはかなり気持ちよさそう。

「国際子ども図書館」、思ったよりも見どころ満載で楽しめました。上野観光の際にはぜひ!

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【施設情報・アクセス】上野「国際子ども図書館」

〒110-0007 東京都台東区上野公園12−49

浅草出身のレトロ好きライター。Webマガジン「てくてくレトロ」主宰、明治〜昭和の喫茶店にまつわるコラムや取材記事の執筆。