3,000円台で高クオリティなすき焼きを堪能!浅草「米久本店」の牛鍋

浅草のすき焼き、というと「今半」や「ちんや」などを思い浮かべる人も多いかと思います。

でもね、ちょっとね、どっちのお店もお高いんですよね……。もちろん、少し安めのメニューなんかもあるのですが、せっかくならサシが入ってやわらかくてとろける上質なお肉のすき焼きを食べたいな、と思いませんか?

そんな方に朗報です。3,000円台でかなり高クオリティのお肉を食べられるすき焼きのお店が、浅草にあります。

その名は「米久(よねきゅう)本店」。100年以上の歴史をもつ老舗牛鍋屋さんです。

(米久さんに訪問したのは実は1年前でして……値段は執筆時点の情報を参考にしつつ書いていますが、外観や内装は少し変わっているかもしれません)

100年以上の歴史がある牛鍋屋(すき焼き)|浅草「米久本店」

「米久本店」は、浅草のひさご通り商店街の中にあります。
つくばエクスプレスの浅草駅からは徒歩1分、地下鉄/東武浅草駅からは徒歩9分ほどの距離。花やしきやJRAウインズがあるあたりです。

「本店」とついているので他に系列店があるのか? と思ってネットで調べてみましたが、出てきませんでした。昔は系列店があったけど今は1店舗のみ、というのは老舗だとけっこうあるので、そのパターンかも?

なお、「米久」で調べると加工肉や食肉を販売している「米久株式会社」も出てきますが、そちらとは関係ないようです。

100年以上の歴史をもつ老舗ということで、なかなか味のある店構え。

ただ、もちろん創業当時そのまま、というわけではないよう。昭和5年発刊の『東京名物食べある記』という本に米久が紹介されていましたが、「店が新築になって……」という記述があるので、少なくともその頃には建て替えをおこなっているようですね。(空襲もあったので、その後も建て替えをしているんだろうな、とは思いますが)

店内は下町の老舗感たっぷり!|浅草「米久本店」

この日は家族でランチをしに行きました。開店時間の12時に合わせてお店に到着。

お店に入って人数を告げると、その人数分の回数だけ、ドンドンドン! と太鼓を叩いてから、席まで案内してもらえます。太鼓のことは知らなかったので、最初びっくりしました(笑)。

案内していただいたのは、座敷席。ほかにテーブル席もあるようです。

ほかのお客さんが写り込んでしまいそうだったので座席まわりの写真は撮っていませんが、店内はザ・下町の老舗! といった趣があります。敷居が高い感じはなく、くつろぎながら食事をいただける雰囲気です。

ちなみに、米久本店のことをネットで調べると「予約不可」と出てくるのですが、撮った写真を見返したところ木彫りの像(これは、七福神の布袋尊かな?)のおなかに「ご予約の方は申し出てください」の張り紙が。

もしかしたら新型コロナ対策で予約を受け付けるようになったのかも……?
現在どうなのかがわからないので、気になる方は予約ができるかどうか、お店に問い合わせてみてくださいね。

メニューは牛鍋(すき焼き)のみ!3,160円〜|浅草「米久本店」

米久本店のメニューは、2種類の牛鍋(すき焼き)のみ。

  • 上の牛鍋 野菜・玉子付(3,160円)
  • トクの牛鍋 野菜・玉子付(3,790円)

お値段を見てわかるとおり、上よりもトクのほうがお肉のグレードが上です。

牛鍋のほかには、ご飯とお新香、お味噌汁。あとはお酒などドリンク類があります。

牛肉、野菜、卵は追加注文もできます。追加の牛肉は、上が2,520円、トクが3,150円。
最初にトクの牛鍋を注文して、追加のお肉は上にする、という注文方法もOKです。

今回は、トクの牛鍋(野菜、玉子付)を注文!

サシの美しさがすばらしい。まるで繊細なレースのよう……!

牛鍋は、最初の1回分はお店の方が作ってくれます。

お肉と一緒にお豆腐、しらたき、ねぎを入れて、割り下とともにぐつぐつ。春菊は、ある程度火が通ったタイミングで入れます。

まず最初はお肉から。生卵にくぐらせて、一口……。

月並みな表現で恐縮ですが、まじでとろける。やわらかくてふわりと薄い牛肉を口一杯にほおばる瞬間の、なんと幸せなことか……脳が痺れる旨さでした。

牛肉の旨味と割り下が染みこんだお豆腐やお野菜も、おいしかったです。

あとからごはんを注文し、お肉とともにいただきました。わざわざ言うまでもありませんが、白米×肉は当然のように合う。
そして最後は残った玉子をかけて、玉子かけごはんに。これもまた言わずもがな、なおいしさ。

私個人としては、すき焼きをそんなに食べたことがないので比較ができないのですが、両親によると「この値段でこのクオリティのすき焼きが食べられるお店は貴重!」とのこと。

お肉好き、すき焼き好きの方はぜひ一度、米久本店に足を運んでみてください!

「食後に甘いものを食べたい!」という方には、舟和本店の喫茶室がおすすめ。(米久本店から徒歩5〜6分)

【店舗情報】アクセス、禁煙/喫煙情報など|浅草「米久本店」

住所:〒111-0032 東京都台東区浅草2丁目17−10
最寄駅:つくばエクスプレス浅草駅から徒歩1分、地下鉄/東武浅草駅から徒歩9分
電話:03-3841-6416
営業時間:12:00〜21:00
定休日:水曜日(年末年始は休まず営業)
※全席禁煙です

米久本店には、公式サイトやSNSアカウントはありません。
営業時間、定休日はひさご通り商店街のサイトに掲載されているものを参照しています。

▼米久本店|浅草ひさご通り商店街協同組合公式サイト
http://asakusa-hisagodori.com/tenpo/yonekyu.html

※参考文献
『東京名物食べある記』
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1176069/53

浅草出身のライター。「レトロ」を軸に執筆活動を展開。「和樂Web(小学館)」「びゅうたび(JR)」など各種メディアにて、明治〜昭和の喫茶店文化や食文化にまつわるコラム、レトロスポットの取材記事などを執筆。当Webマガジン「てくてくレトロ」主宰。