上野広小路/御徒町の純喫茶「カフェ・ラパン」。昔懐かしの雰囲気に包まれながらプリンを堪能

上野のレトロな喫茶店「カフェ・ラパン」。
地元の方や近隣のオフィスに勤める人々、純喫茶ファンの若い方など、幅広い客層が訪れています。

自家焙煎のコーヒーに手作りスイーツ、気さくな店員さん、昔懐かしい雰囲気の店内……と、魅力たっぷりなカフェ・ラパンで、今回はプリンをいただいてきました。

上野広小路/御徒町から徒歩3分の純喫茶|上野「カフェ・ラパン」

上野の「カフェ・ラパン」は、地下鉄の上野広小路/上野御徒町駅、JR御徒町駅から歩いて3分ほどの距離にある喫茶店です。JR/地下鉄の上野駅からは、歩いて10分程度。

カフェ・ラパンがあるあたりはそんなにたくさんお店があるエリアではなく、飲食店もあるにはありますが、ラーメン屋や居酒屋など、どちらかというと夜向きのお店が多い印象。

なので、カフェを探そうとしている人が通りすがりで入る……というよりも、地元の人や近隣で働く人が利用することが多いんだろうな、と。
また、カフェ・ラパンはレトロな喫茶店好きの間では有名なお店なので、週末にはこのお店を目当てにやってくる人も多そうですね。

お店の外壁は黒っぽく、どことなくシックな印象。

入り口側に面した壁面がガラス張りになっていて、店内のようすがよく見えます。
純喫茶にあまり慣れていない方だと、「中の様子が見えないと、なんとなく入りにくい……」という方も多いようですが、ガラス張りで開放感あるつくりのカフェ・ラパンなら、そういった方でも入りやすいかもしれません。

店内は禁煙、入り口の左側にあるテーブル席が喫煙できる席になっています。
テラス席があるからか、全体的にシックな雰囲気だからか……なんとなく、海外のカフェのような雰囲気が漂っていました。

懐かしい雰囲気に包まれた店内|上野「カフェ・ラパン」

カフェ・ラパンの店内に入ってすぐに目についたのが、大きな焙煎機。
そのレトロなたたずまいから、「インテリアとして置いてあるのかな……」と思いきや、現役で毎日使っているものだそう。

カフェ・ラパンでは、コーヒー豆を自家焙煎しているそうで、「こちらの焙煎機で、マスターが毎日焙煎しているんですよ!」と店員さんが教えてくれました。

平日の午前中に伺ったところ、店内には地元民っぽい雰囲気のお客さんがちらほら。近隣にオフィスビルが多いせいか、スーツ姿のお客さんも多かったです。

1950年代の喫茶店ブーム全盛のころには、喫茶店のメインの利用客はサラリーマンでした。会議室代わりにしたり、営業先からの帰りがけに一服したり……そんなふうに使われていたそう。

私の隣のテーブルには、スーツ姿の男性4人組が座っていて、コーヒーを飲みながら仕事の打ち合わせをしていました。その光景を見ていたら、なんだか昭和の喫茶店にタイムスリップしたような、不思議な感覚に。

店内は温かみがあり、落ち着いた印象。椅子の背もたれが、扇子のような形になっていてかわいい! 椅子のシートはオリーブ色のベロアで覆われていました。

ゴージャス系の純喫茶だと、赤いベロアとか柄物のソファーが多くて、そちらも大好きなんですが、カフェ・ラパンのようにシックながらも温かみのある雰囲気もいい。一口に「純喫茶」といっても、お店によって特徴が違うので、そこも魅力ですよね。

プリンとコーヒーのセットを注文|上野「カフェ・ラパン」

カフェ・ラパンでは、オープンから11時まではモーニングを提供しています。
伺ったのが11時前だったので、モーニングにするかどうしようか迷いましたが、そこまでお腹がすいていなかったので、黒板メニューにあった4種類の「本日のケーキ」の中から、プリンを選択。

ちょこんと上に乗っている生クリームがかわいらしい。

カラメルは別添えで、小さなピッチャーに入ってやってきました。
一般的なカラメルは、飴色でクリアなイメージですが、ラパンのカラメルはクリアではなく、たとえるなら、ごまだれのような感じ。
(例えがおかしいと思われるかもしれませんが、実物を見れば「確かに!」と思うはず……多分……)

こっくりしたカラメルをたっぷりとかけて一口ほおばると、やや苦味のある甘いソースと、なめらかなプリンがまざりあって、すごくおいしかったです。

お会計のときに、焙煎機の説明をしてくださった店員さんと会話を交わしたのですが、「私、ここのコーヒーが好きなんです!」と満面の笑みでおっしゃっていました。

ケーキもすべてオーナーとスタッフが手作りしていて……と説明してくださったので、「プリン、おいしかったです!」と伝えると、店員さんは嬉しそうな表情に。

自分のお店で出しているコーヒーが好き! と言えるスタッフさんがいるお店って、なんだかすごくいいな、と。

その方だけでなく、ほかのスタッフさんも感じのいい方ばかりで、すごく心地よく過ごせました。
平日の午前中にしては予想外にお客さんが多いな、と少し驚きましたが、人気の理由も納得!

余談ですが、スタッフさんのエプロンにうさぎのマークがついていて不思議に思ったんですが、店名の「Lapin」はフランス語で「うさぎ」の意味だそう。

車に詳しくないので知らなかったんですが、スズキの自動車で「Lapin」というのがあって、そのマークもうさぎみたいですね。ひとつ勉強になりました。

【店舗情報・アクセス・禁煙/喫煙情報】上野「カフェ・ラパン」

〒110-0005 東京都台東区上野3丁目15−7

※カフェ・ラパンは【禁煙】です。(外に喫煙OKなテラス席がありました)
※お会計はクレカや電子マネーも使えました。

浅草出身のライター。「レトロ」を軸に執筆活動を展開。「和樂Web(小学館)」「びゅうたび(JR)」など各種メディアにて、明治〜昭和の喫茶店文化や食文化にまつわるコラム、レトロスポットの取材記事などを執筆。当Webマガジン「てくてくレトロ」主宰。