銀座ブラジルの下にあった「シカゴ靴店」がなくなっていた【浅草の記憶】

かつて、浅草の純喫茶「銀座ブラジル」の1階には「シカゴ靴店」が入っていたけれど、気づけばシカゴ靴店はなくなっていた。

一番最近銀座ブラジルに行ったのは、たぶん2021年の末ごろ。その時撮った写真を見てみたら、すでにシカゴ靴店はなかったようだ。お店がなくなったことに、気づいていなかった。銀座ブラジルには朝の時間帯に行ったので、まだ開店前かな、と思って気にしていなかったのかもしれない。

シカゴ靴店跡は、現在は固定のお店が入っているのではなく、催事の会場になっている(多分)。今日見たときには塩パンあんばたーの看板(といっても紙か何かで作った簡易的なもの)がかかっていたが、前に見た時には別のものが売っていた気がする。

シカゴ靴店に特別な思い入れがあるわけではないけれど、銀座ブラジルの説明をするときに、「浅草にあるけど店名は銀座ブラジルで、1階にはシカゴという店が入っていて……」「店名だけ見たらいったいどこにある店なのかわからんな」というのがある種語り草のようになっていたので、それができなくなるんだなぁ、と。

街って変わるんだな、と改めて思う。古い店がなくなって新しい店ができ、街の景観も整えられ。伝法院通りとか、建物の外観が整備されたりシャッターに絵が描かれたりして、いいかんじにレトロな趣になっているけれど、昔はフッツーの通りだったからな。

※伝法院通りの昔の写真はここで見られます→【伝法院通りの今昔写真

昔の浅草のようす、自分でも写真を撮っておけばよかったなーと思うけれど、まぁ子どもだったし当時は写ルンですだったからな、そう気軽に写真を撮れる時代でもなかった。

今あるものも、きっとこの先なくなると思うから、写真と文章でなるべく残しておきたいな、と改めて思った。ここに書き溜めていこう。

以前書いた「銀座ブラジル」の訪問記録はこちら↓

浅草出身のライター。「レトロ」を軸に執筆活動を展開。「和樂Web(小学館)」「びゅうたび(JR)」など各種メディアにて、明治〜昭和の喫茶店文化や食文化にまつわるコラム、レトロスポットの取材記事などを執筆。当Webマガジン「てくてくレトロ」主宰。