千束通り商店街の横道に入ると見えてくる、「JOY」と書かれた大きな看板。
食品サンプルの棚を横目に店内に入ると、入口すぐの本棚には、漫画がびっしりと並んでいる。
店内には新聞を読む人、おしゃべりを楽しむ人、ぼんやりとコーヒーをすする人。スマホを見つめている自分がなんだか浮いているような気がして、そっとカバンにスマホをしまった。
浅草の純喫茶「喫茶ジョイ」。ランチにピザトーストを食べてきました。
ロケ地にもなった昭和レトロ純喫茶|浅草「喫茶ジョイ」
「喫茶ジョイ(JOY)」は、1962年(昭和37年)創業の浅草の純喫茶です。
映画「屍人荘の殺人」や、TVドラマ「初めて恋をした日に読む話(はじこい)」などでロケ地として使われ、当時はファンの方が聖地巡礼として訪問することも多かったよう。
お店があるのは、浅草三丁目。そこまで観光客が多いわけではありませんが、近くには純喫茶好きの間では有名なお店「デンキヤホール」や、銭湯「曙湯」などもあり、街歩きが楽しいエリアです。
古びた食品サンプルに手書きのメニューがいい味出してる。
メニュー数はかなり豊富なよう。2時まで提供しているというランチセットを目当てに、いざ入店。
広々とした店内にはテーブル型ゲーム機も|浅草「喫茶ジョイ」
店内に入ってみて、予想以上の席数に驚きました。
かなり広い。テーブルの間隔がたっぷりとられているので、ゆったりくつろげる雰囲気です。
窓際の席は日の光がよく入って気持ちがいい。場所柄か、それとも平日だったからか、店内にいたのは地元民とおぼしき方がほとんど。でも、Googleマップの口コミ件数が100件を超えていたので、もしかしたら休日にはけっこう混むのかも?
私が座った席の真後ろの小さなスペースには、電話機がぴっちりとおさまっていました。これ、位置的にはここの席に座った人しか使えないな……?笑
おそらく、今は使われていない、ということなんでしょう。この電話が現役で使われていたときには、ここは席ではなくて電話コーナーだったのかも。
ちなみにスマホネイティブ世代には馴染みがないかもしれませんが、携帯電話がない時代、純喫茶は待ち合わせ場所として使われていました。待ち合わせ相手と連絡を取りたい場合はお店に電話をかけていたそう。
店内奥には個室タイプの喫煙用ブースがあり、その少し手前側には、昔懐かしのテーブル型ゲーム機が数台並んでいました。中には現役で使える機械もあるようなので、気になる方はお店の方に聞いてみてください。
私は実体験として知っているわけではありませんが、テーブル型ゲーム機が流行った当時は、ゲーム機目当てに喫茶店に行く人も多かったのだとか。
今思えば、インターネットがまだ普及していなかった時代と比べると、娯楽がかなり増えましたよね。ゲームはスマホでもできるし、YouTubeやNetflixなんかもある。昔ながらの喫茶店には漫画が置いてあることが多いですが、スマホが登場してからはそういったお店も減りました。時代の流れを感じます。
ランチにピザトーストを|浅草「喫茶ジョイ」
ランチセットは何種類かありました。
今回は、ピザトーストにサラダ、コーヒー、ヨーグルトがついたランチセットをチョイス。
このピザトースト、すごくおいしかった! マッシュルームやベーコンなどの具材の上にたっぷりとかかったチーズは、軽く焦げ目がつくくらいに焼かれています。
パンの耳に沿うようにぐるりと切れ込みが入っていて、これは何でだろう……? と思ったら、こうすることで耳がカリっと焼きあがるのだとか。たしかに耳部分はサクサクしていて、中央のふわふわ部分との食感の違いを楽しめました。
ランチタイムが終わっても食事メニューは食べられます。(ランチセットがなくなるだけ)
メニューのラインナップはかなり豊富で、軽食だけでなく本格的な洋食メニューも揃っているな、という印象。それもそのはず、喫茶ジョイさんには専門の料理スタッフがいるようなのです。
別日に再訪した際、昼でも夜でもない中途半端な時間に食事メニューを頼もうとしたところ、「じつは今コック(料理人、と言っていたかな?)が休憩に出ていまして……」ということで、軽食メニューか、カレーなどすでに作り置いてあるメニュー以外だとかなり待ちます、と言われました。つまりハンバーグやらナポリタンやらの洋食メニューはコックさんが作っている=本格的な味ということなんだろうな、と。
そして、その日はカレーを頼んだのですが、これがめっっっちゃくちゃおいしかったんですよ!
また次回、別の食事メニューを食べてみたいなと思いました。
【店舗情報】アクセス、禁煙/喫煙情報など|浅草「喫茶ジョイ」
〒111-0032 東京都台東区浅草3丁目37−6
※全席禁煙です