ホットケーキとともに癒しの時間を。浅草のレトロ喫茶「キレット」

国内外から観光客が集う浅草は、週末はもちろん、平日にも多くの人が訪れる場所。とくに、浅草寺周辺のエリアは常に多くの人で賑わっていて、「ちょっとお茶しよう」と思ってもどのカフェも混んでいて、なかなか空いているお店を見つけるのが難しいことも。

でもたまに、「この立地で、なんでこんなに空いてるの?」と不思議になる、エアポケットのような喫茶店を見かけることがあるんです。まわりのお店は大行列なのに、週末の混雑している時にも、待たずにすっと入れる。だからといって味や接客がイマイチ、なんてこともない。

今回ご紹介する「キレット」もそんなお店のひとつ。窓の外の喧騒を眺めながら、のんびりゆったりと喫茶時間を楽しめます。

浅草寺から徒歩1分の純喫茶「キレット」

「キレット」は、浅草寺から歩いて1分ほどの場所にある喫茶店。

新型コロナの影響か、少し前まではずっとシャッターが閉まっていたのですが、看板に書かれた「珈琲」の文字が気になっていました。少し前に営業を再開しているのを見かけ、先日初めて訪問。

「キレット」がお店を構える伝法院通りは、週末にはたくさんの人が行き交う観光の中心エリアです。この日も平日ながら外には多くの観光客がいました。

平日の夕方に伺ったところ、店内にはお客さんがおらず。人が多いとはいえ、周辺には食べ歩きスポットが多いので、食べ歩き目当てのお客さんが多いから、あんまり喫茶店に入る感じではないのかな……と。あとは、単純にレトロな喫茶店って普通のカフェよりは入りにくいと感じる人も多いので、そういう面もあるのかも。(ちなみに週末はわりとお客さんが入ってます)

店内は、外の喧騒を離れてゆったり過ごせる雰囲気

店内は、ザ・昔ながらの喫茶店、といったレトロな雰囲気。椅子やテーブルの風合いなど、店内のそこかしこから年季の入った印象を受けますが、店内は綺麗に保たれています。

外が見える窓際の席に座りました。上記の写真にちらっと写っていますが、テーブルの上にはレトロ喫茶ではお馴染みの丸い占いの機械も。ちなみに正式名称がわからなかったので調べてみたら「ルーレット式おみくじ器」というそうです。

斜め向かいには、いつも大行列の浅草メンチのお店。外のざわめきが嘘のように静かな時間が流れる店内で、店内に流れるラジオを聞きながら、しばしぼんやり。

まんまる、綺麗な焼き色のホットケーキでひとやすみ

この日は歩き回ってすこしお腹が空いていたので、ホットケーキとコーヒーのセットをいただきました。

まんまる、綺麗な焼き色のホットケーキが2枚。小ぶりで、ちょっと小腹がすいたな、という時のおやつにちょうどいいボリュームです。

おしゃれで豪華な今どきパンケーキも好きだけど、こういうシンプルなホットケーキは、なんだかほっと心が和むような魅力がある気がします。

ホットケーキを食べている最中に、店員さんに話しかけながらお店に入ってきた方がいました。自転車で来ていたので、おそらく近所に住んでいる常連さんなんでしょう。

浅草出身の私は「浅草って住む場所あるの?」と幾度となく言われてきましたが、実は浅草は、道を一本隔てた場所に住宅が広がっているような場所も多いんです。「キレット」は観光客というよりも、地元の方が利用することが多いお店なのかな、と感じました。もちろん、場所柄週末には観光客の人も多く訪れるんでしょうけど。

観光エリアの中心にありながら、外の喧騒とは切り離された空間でくつろげる、居心地のいいお店でした。

地元のお客さんが多く訪れる浅草の純喫茶なら、「ジョイ」もおすすめです。

【店舗情報】アクセス、禁煙/喫煙情報など|浅草「キレット」

最寄駅:地下鉄/東武浅草駅から徒歩約3分、つくばエクスプレス浅草駅から徒歩約5分
住所:〒111-0032 東京都台東区浅草1丁目37−12
電話:03-3844-8523
営業時間:月、水〜金…12:00-19:00、土日…9:00-19:00、火曜定休
禁煙/喫煙情報:全席禁煙(外に喫煙スペースあり)

※営業時間等はGoogleマップの情報を参考にしています。

浅草出身のライター。「レトロ」を軸に執筆活動を展開。「和樂Web(小学館)」「びゅうたび(JR)」など各種メディアにて、明治〜昭和の喫茶店文化や食文化にまつわるコラム、レトロスポットの取材記事などを執筆。当Webマガジン「てくてくレトロ」主宰。