入谷の元銭湯カフェ「レボン快哉湯」。アイス×コーヒーでくつろぎのひとときを

まるでお湯の中にチャポンとつかっているような、あたたかい気分でくつろげるカフェ。

これが、入谷の「レボン快哉湯(かいさいゆ)」に訪れたときの印象です。

銭湯だった建物の雰囲気をそのまま活かし、カフェとして生まれ変わった空間では、アイスクリーム×コーヒーのマリアージュを楽しめます。

レトロで素敵な店内のようすを、たっぷりご紹介します!

築90年の元銭湯をリノベーションしたカフェ|入谷「レボン快哉湯」

「レボン快哉湯」は、入谷駅から歩いて2〜3分の場所にあります。

一見すると、銭湯にしか見えない外観。ここは1928年から約90年間、世代を超えて愛された銭湯「快哉湯」でした。

2016年11月、建物や設備の老朽化により惜しまれつつも銭湯は閉業。

「人々の記憶が詰まったこの建物を未来に残したい」というオーナーの想いを受け継ぎ、カフェ「レボン快哉湯」として生まれ変わりました。

「レボン快哉湯」の店内は、銭湯の設備をほとんどそのまま残してあります。

入ってすぐに目に飛び込んでくるのは、レトロな下駄箱。いかにも銭湯! といった趣です。
木札や金属のプレートが鍵になってるところがいい。たまに見かけると地味にテンション上がる。

赤い文字で「女」と書かれているこのガラス戸が、カフェの入口です。元女湯の扉ですね。

左側には「男」と書かれたガラス戸もありますが、注文カウンターがあるのは「女」のガラス戸の先です。いざ、扉の中へ!

女湯/男湯/浴室をエリアごとにご紹介!|入谷「レボン快哉湯」

「レボン快哉湯」の店内は、大きく分けて3つのエリアに分かれています。

  • 女湯エリア(飲食スペース):入口から向かって右側。注文カウンターがある。
  • 男湯エリア(飲食スペース):入口から向かって左側。
  • 浴室エリア(オフィススペース):店内奥。飲食はできないが店員さんに声をかければ見学可能。

言うまでもありませんが、「女湯側の席には女性しか座れない」なんてしばりはまったくありませんのでご安心を。

では、エリアごとにそれぞれご紹介します!

女湯エリア(飲食スペース)

「女」と書かれたガラス戸の入口を入ってすぐのスペースが「女湯エリア」。右側にあるカウンターで注文を済ませてから席につきます。

奥に見えるのが、オフィススペースになっている浴室エリアです。

左側の壁が鏡になっているの、伝わりますかね……? この壁の向こうが男湯エリアです。

こちらは、男湯エリアと女湯エリアをつなぐ出入口。新しく設置した感じでもないので、元からあったのでしょうか。

こういう昔ながらの銭湯に行ったことがないのでわからないのですが、男湯と女湯を行き来することってない気がするので、ドアの意味とは……? と不思議に思いました。店員さんが掃除とかの時に行き来しやすいように設置してあるんでしょうか。

扉をくぐり、男湯エリアへ。

男湯エリア(飲食スペース)

こちらが男湯エリア。女湯エリアに面した右側の壁が、鏡張りになっています。

「男」と書かれたガラス戸(外に文字が書かれているので反転していますが)。その右側には、フジローヤルの大きな焙煎機が置かれています。

レボン快哉湯さんのコーヒーは自家焙煎とのこと。ガス栓がつながっているので、おそらく現役で使われている焙煎機なのかな、と。

こちらは番台。上に登って写真も撮れるようですが、この日は一人で伺ったので断念。今度誰かと来た時に撮ってもらおう。

「とられぬ前の御用心」
「貴重品は必ず番台へ!」
「衣類は必ず脱衣箱の中へ!」

との掲示が。これをあえて残しているのがいいですね。

では、奥にある浴室エリアへ。

浴室エリア(オフィススペース)

浴室エリアは、レボン快哉湯のリノベーションを手がけた会社「株式会社ヤマムラ」さんのサテライトオフィスになっています。

テーブルや椅子が置かれていますが、飲食できるスペースではありませんのでご注意を。

スタッフの方に声をかけると、見学させていただけます。写真もOKですが、オフィススペース内の社員さんがお仕事をしている個室のあたり(壁画に向かって左側)は撮影NGとのことでした。

こちらは浴槽。男湯側と女湯側にそれぞれひとつずつありました。

どどーんと大きな富士山が描かれている壁画!
銭湯として営業していたときには、みんなこの壁画を見ながらのんびり湯船につかっていたんでしょうね。ペンキが剥がれているようすから、なんともいえない趣を感じます。

現在の浴室エリアの床は板張りになっていますが、ところどころに見えるタイルは、きっと銭湯時代のものでしょう。これまたレトロでかわいい。

アイス×コーヒーのマリアージュ|入谷「レボン快哉湯」

レボン快哉湯では、アイスクリームとコーヒーのマリアージュを楽しめるセットメニューが人気のメニュー。

それぞれ単体でももちろんおいしいのですが、お互いのおいしさが引き立つ組み合わせを追求しているそう。

今回は季節限定の栗のアイスクリームをいただきました。

マロン&オータムブレンド1130円

レボン快哉湯の公式HPに書いてあった、マリアージュの味わい方がこちら。

1.コーヒーをひとくち飲みます。
2.アイスクリームを食べ、口の中にアイスクリームが残っている状態でコーヒーを飲みます。(今までにない味の変化にきっと驚きます。)
3.残ったコーヒーをアイスクリームにかけて食べます。

……なんですが、これを知ったのはこの記事を書くために公式HPを見た時。つまり、訪問したあと。

訪問時にはふつうに交互に食べてしまいました……コーヒーをアイスにかけて食べるとか絶対おいしいじゃないか……! と若干後悔。

もちろん、交互に食べてもおいしかったんですけどね! 今度伺うことがあったら試してみよう、と決意しました。

アイスクリームは、栗を粗めにペーストしたような、すこしざらっとした食感がありました。栗の風味がしっかりと感じられて、すごくおいしかった! オータムブレンドとの相性も抜群でした。

この日は平日かつ雨だったせいもあってか、お客さんがほとんどいませんでしたが、ガランとしているのに不思議とさみしい感じはしませんでした。

この建物に人の気配を感じる……みたいな霊的な話ではなく(笑)、長い間たくさんの人に愛されてきた空間ならではのあたたかみ、みたいなものなのかな、と。

ずっと行ってみたかったお店だったので、大満足!
フリーWi-Fiもあるので、PC作業にもよさそう。またぜひ伺いたいと思います。

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【店舗情報】入谷「レボン快哉湯」

浅草出身のライター。「レトロ」を軸に執筆活動を展開。「和樂Web(小学館)」「びゅうたび(JR)」など各種メディアにて、明治〜昭和の喫茶店文化や食文化にまつわるコラム、レトロスポットの取材記事などを執筆。当Webマガジン「てくてくレトロ」主宰。