カフェ

横浜・日本大通り「カフェドゥラプレス」でいただく、オレンジリキュール入りコーヒー「裁判官たちのカフェ」

店内に足を踏み入れた瞬間、まるでヨーロッパのカフェのようなその雰囲気に、数年前に旅行で訪れたフランスでの思い出が溢れ出した。

フランスに行ったのは、2018年の秋こと。あの頃は、翌年4月にノートルダム大聖堂が火災に見舞われることも、さらにその翌年には新型コロナウイルスの流行により海外に行けない事態になることも、まったく予想していなかった。

横浜・日本大通り駅からほど近い、横浜情報文化センターの2階にある「カフェドゥラプレス」。
クラシカルな洋館で、ちょっと変わったコーヒーメニューをいただいてきました。


歴史的建造物の中にあるカフェ|横浜・日本大通り「カフェドゥラプレス」

「カフェドゥラプレス」がお店を構えるのは、日本大通り駅から50mほどの場所にある、横浜情報文化センターの中。

横浜情報文化センターは、関東大震災後の横浜の商工業復興を目的に建てられた「横浜商工奨励館」だった建物を再利用して作られたそう。

4階建ての旧館部分と、新たに造られた12階建ての新館部分から構成されており、旧館部分は「横浜市認定歴史的建造物」に認定されているのだとか。

細かいタイルが敷き詰められた床。ドット絵っぽい

昭和初期を代表する建造物である同館。石造の階段や柱は重厚感があり、歴史を感じさせる造りとなっています。

2階にて。後ろに見えるのは3階(旧貴賓室)に上がる階段です

「カフェドゥラプレス」は、旧館の2階にあります。
ちなみに、同館1階のレストラン「アルテリーべ」は系列店です。


まるでヨーロッパのカフェのような店内|横浜・日本大通り「カフェドゥラプレス」

「カフェドゥラプレス」に一歩入ると、まるでヨーロッパのカフェのような空間が広がります。

店内は天井が高く、開放的な雰囲気。
席の間隔が広めに取られているので、ゆったりと過ごすことができます。

伺ったのは少し遅めの時間帯だったのでよく見えませんでしたが、窓からはイチョウ並木が見られるのだとか。
日の入る明るい時間帯に、窓辺の席からの景色を楽しみながらくつろぐのもよさそうです。

白い壁には、ぽつぽつと絵画か飾られています。建物の歴史的な雰囲気も相まって、なんだか美術館のような印象。


記者・弁護士・裁判官…一風変わったコーヒーメニュー|横浜・日本大通り「カフェドゥラプレス」

さて、何を頼もうか……と「カフェドゥラプレス」のメニューを眺めていたら、一風変わったコーヒーメニューに目が留まりました。

  • 記者たちのカフェ(ダブルエスプレッソ&スチームミルク) / Café des Journalistes
    パリの気難しい記者たちにはダブルエスプレッソと泡立てたミルクを別々に
  • 弁護士たちのカフェ(ブレンドコーヒー&エッグリキュール) / Café des Avocats
    アドヴォカート(卵酒)を飲むと弁護士のように弁舌爽やかになるといいます
  • 裁判官たちのカフェ(ブレンドコーヒー&オレンジリキュール) / Café des Juges
    パリの裁判官たちは気付の一杯としてオレンジリキュールを飲んでいたようです

コーヒーやカフェクレームなど一般的なメニューもあったのですが、「せっかくなら……!」と思い、「裁判官たちのカフェ」を頼んでみることに。

裁判官たちのカフェ(ブレンドコーヒー&オレンジリキュール) / Café des Juges 740円

リキュールは別の入れ物に入ってやってきました。
全部入れるかどうか迷いましたが、ひとまずちょろり、と少しだけ垂らしてみることに。

オレンジリキュールの風味があまりしなかったので追加でもう少しだけ入れようとしたところ、ドバっと勢いよくリキュールがコーヒーの中へ……。

飲めないほどではないものの、コーヒーの風味をかき消す勢いでオレンジリキュールが主張してくる感じの味になってしまいました(笑)。

注文される方は、味を見ながら少しずつ入れるのをおすすめします。

今回いただいたのはコーヒーだけでしたが、「カフェドゥラプレス」には食事やデザートのメニューも豊富にあります。

「カフェドゥラプレス」は、同館1階にお店を構える老舗レストラン「アルテリーべ」の系列なので、きっと食事もおいしいんだろうな。
ランチは1,000円程度とリーズナブルなので、今度はお昼の時間帯に来てみたい。


「また行こう」が叶ううちに|横浜・日本大通り「カフェドゥラプレス」

ヨーロッパの雰囲気ただよう店内で、コーヒーを飲みながらぼんやりしているうちに、3年前に家族と一緒に行ったフランス旅行のことをふと思い出しました。

エッフェル塔に凱旋門、ノートルダム大聖堂、芸術家たちが集ったモンパルナスのカフェ「ラ・ロトンド」、ルーブル美術館……。

1週間という短い期間に、目ぼしい観光スポットをてんこもりに詰め込んでいろいろな場所を巡ったけれど、それでも行きたい場所すべてを周ることはできませんでした。

モンパルナスのカフェ「ラ・ロトンド」

家族とも「また行こう」と言い合って、お金と時間さえ許せば、行こうと思えばいつでも行けるだろうとも思っていました。

けれど、気づけばノートルダム大聖堂は火災により変わり果てた姿となってしまったし、コロナの影響で海外はおろか自国内でも遠出がはばかられるような状況になってしまった。

ノートルダム大聖堂

「行こうと思えばいつでも行ける」は、幻想だった。

行きたい場所がなくなってしまえば行けなくなるし、行動を制限せざるを得ない状況になればやはり行けない。ウイルスに限らず、自分が体を壊すような場合も含め。

「また行こう」という言葉に対して、「うーん、どうかな。まぁ、いい冥土の土産ができたわ」と母が笑った時、私は何て言ったらいいのかわからなかった。

「また行こう」が叶わない寂しさに、そのうち慣れてしまうのかもしれないけれど、なるべく後悔のないように毎日を過ごしたい。

ノートルダム大聖堂

横浜には、今回ご紹介した「カフェドゥラプレス」のほかにも、素敵な喫茶店がたくさんあります。
横浜・関内の「馬車道十番館」の記事も、よろしければどうぞ。

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【店舗情報】横浜・日本大通り「カフェドゥラプレス」

今日のひとこと

レトロな建物っていいですよね。うっとり。

ABOUT ME
中村 英里|てくてくレトロ編集長
フリーランスライター。明治〜昭和頃の喫茶店の歴史にまつわるコラムや、純喫茶の取材記事などを執筆。Twitter:@2erire7