浅草の純喫茶「セリーヌ」で、生レモンジュースを飲みながら幼き日の思い出に浸る

小学生の頃、毎日通っていた道にあった、とある喫茶店。
その頃は「純喫茶」なんて言葉も知らなくて、ただ、「お店があるな」と思っていた。

幼い自分にとって喫茶店は「大人の場所」だった。自分とは関わりのない場所だと認識していたから、中に入りたいと思うこともなかったけれど、どこか気になる存在ではあった。

そのお店は、浅草の「セリーヌ」。数十年の時を経て、お店のドアを開きました。

地元民に愛される純喫茶|浅草「セリーヌ」

浅草の「セリーヌ」は、浅草駅から歩いて5分程度の場所にある純喫茶。
駅近とはいえ観光客がよく来るエリアではなく、小学校や公園が近いこともあり、地元の人々に愛される純喫茶です。

実は私、この近くにある浅草小学校に通っていて、通学路の途中にセリーヌがあったので、入ったことはないものの馴染みのあるお店でした。

幼心に「喫茶店があるな」と認識してはいたものの、まさか小学生がふらりと喫茶店に入るわけにもいかず。
大人になった今改めて訪問してみることに。

ターコイズブルーのソファーが印象的な店内|浅草「セリーヌ」

店内に一歩入ると、ターコイズブルーのソファーが目を引きます。

緑っぽい青。ティファニーブルーにも近いのかな。この色かわいいなー。
喫茶店のソファーは赤のベロアやこげ茶の革張りのものが割合としては多いので、こういう色は珍しいな、と。

入り口のある壁側がガラス張りになっていて、開放的な雰囲気。この日は天気がよかったので、日光浴びとくか、と思い窓際の席に座りました。

生レモンジュースを注文|浅草「セリーヌ」

歩き回って少し疲れていたので、クエン酸を摂取しよう! と思い、レモンを丸々一個使っているという生レモンジュースをオーダー。

酸っぱすぎるのは苦手なので、注文時に店員さんに「けっこう酸っぱいですかね……?」と聞いてしまったんですが、ジュースを持ってくる時に「飲んでみてもし酸っぱかったらガムシロップをお持ちしますので、声をかけてくださいね」と言っていただけました。優しい。

(というか酸っぱいかどうかって個人の感覚だから、店員さんに聞くもんでもないよな、と後から思いました。笑)

飲んでみたところ、すごくおいしかったです!!!
レモンの酸っぱさが爽やかに香り、疲れが吹き飛ぶような味わいでした。

お会計の際、にこやかなマスターに、このお店はいつからあったのかと聞くと、「50年くらい前から」とのこと。

実は近くの小学校に通っていて、小さい頃から喫茶店があるなーと気になっていたんですよ、と伝えると、「そうですか、また来てください」とニッコリ。あたたかい気持ちでお店を後にしました。

後日、こんな記事を見つけました。

記事タイトルには、「地元小学生が大人になり通う喫茶店」。私のような人がけっこういる、ということなんですね。
(ちなみにこれは2020年の記事で、私が訪問したのは2022年なので、私のことではありません)

またぜひ伺いたいな、と思います。

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【店舗情報】アクセス、禁煙/喫煙情報など|浅草「セリーヌ」

〒111-0033 東京都台東区花川戸1丁目13−9

※全席喫煙可です。

浅草出身のライター。「レトロ」を軸に執筆活動を展開。「和樂Web(小学館)」「びゅうたび(JR)」など各種メディアにて、明治〜昭和の喫茶店文化や食文化にまつわるコラム、レトロスポットの取材記事などを執筆。当Webマガジン「てくてくレトロ」主宰。