純喫茶

贅沢な空間にうっとり。大森の純喫茶「珈琲亭ルアン」でピザトーストとコーヒーを

大森駅の東口から歩いて5分ほど。商店街から横に伸びる路地に入ってしばらく進んだところに、そのお店は忽然と現れた。

居酒屋や飲食店などが立ち並ぶ中に、まるでそこだけ時間が止まったかのような建物。

イラストの上には「珈琲亭ルアン」の文字。
看板の下に小さく見える入り口にまるで引き寄せられるかのように、建物へとゆっくり歩みを進めた。


大森駅から徒歩約5分。昭和レトロな純喫茶「珈琲亭ルアン」

大森の純喫茶「珈琲亭ルアン」は、1971(昭和46)年創業。
純喫茶好きの間では有名なお店で、テレビ番組やドラマのロケ地としてもよく使われているそう。

大森に足を運ぶ機会がなく、「行ってみたいな」と思いながらもなかなか足を運ぶことがなく。今回、仕事で近くに来たので立ち寄ってみました。

大森駅から5分ほど歩くと、お店が見えてきます。

まず目を引かれたのは看板のイラスト。今は色褪せていますが、きっと昔はもっとカラフルで目立っていたんだろうな。

「ルアン」の文字もインパクト大ですね。純喫茶の看板は書体がレトロでかわいい。

看板には、アンニュイな表情をした貴族の男性が描かれています。
イラストは経年により色褪せてはいるけれど、それがかえって建物全体の味わいを増しているように見えますね。


革張りのソファーに薔薇の絨毯…贅沢な気持ちになれる店内【大森・珈琲亭ルアン】

大森「珈琲亭ルアン」の店内に一歩足を踏み入れた瞬間、その豪華さに思わず息を呑みました。

革張りのソファーに、レトロな調度品の数々。何よりも目を引いたのは、床の絨毯です。

大きな薔薇がびっしりと敷き詰められたデザインになっていて、すごくゴージャスな雰囲気。

「純喫茶・美しい床選手権」がもしあるなら、絶対に上位に食い込むんだろうなぁ……なんていう謎の妄想をふくらませてみたり。

ルアンのまわりには、どちらかというと地元の人向けのお店が多い印象だから、この場所にこんなにきらびやかなお店があるのは少し意外にも思いました。

調べてみると、オープン当時は近くに映画館があって、にぎやかなエリアだったよう。
今も純喫茶ファンの多くが足を運んでいるお店ですが、昔はまた違った賑わいだったんでしょうね。


落ち着いた雰囲気の中、ピザトーストとブレンドを堪能【大森・珈琲亭ルアン】

さて、「珈琲亭ルアン」のきらびやかな店内をずっと眺めていたい気持ちもありますが、そろそろオーダーを……と思い、メニューを開きました。

その日は仕事帰りで少しお腹が空いていたので、ピザトーストを。それと、ブレンドコーヒーも一緒に頼みました。

コーヒーは、カップが先に運ばれてきて、あとから注いでいただくスタイルでした。

このコーヒー豆を敷き詰めたテーブル、たまに他の喫茶店でも見かけるんですよね。当時の流行りだったのかな?

……と考えているところに、ピザトーストが到着!

しっかりと厚みがある、王道ピザトースト。たっぷりかかったチーズはこんがりと焼けていておいしそうです。

さっそく一口!

ハムやマッシュルーム、それにトマトソースとチーズ……シンプルな組み合わせが結局一番おいしい。

パンがふわっとしているから、見た目よりも重くなくペロっと食べられました。小腹が空いた時にちょうどいい量。

オレンジが添えられているのは珍しいなと思いましたが、締めに食べるとさっぱりしていいですね。

こんなに素敵な雰囲気の中で、ゆったりくつろいでおいしいものを食べられるのて、最高だな……! と思いました。


「いつか行こう」がまだ叶ううちに【大森・珈琲亭ルアン】

私の「いつか行きたいお店リスト」には東京近郊の純喫茶がたくさん名を連ねていて、「珈琲亭ルアン」はそのうちのひとつでした。
他にも、まだ行けていないお店はたくさんあります。

実は先日、気になって「いつか行きたいな」と思っていたお店が、気づいたら閉店していた……ということがありました。

形あるものはいつか壊れる、なんて言いますが、いろんな事情でなくなってしまう場所も、きっとたくさんあるんだろうな、と。

以前、小さい頃の思い出の味だった浅草「アンヂェラス」が閉店してしまったときも、何とも言えない喪失感がありました。

行きたい場所があるなら行けるうちに行って、会いたい人がいるなら会えるうちに会っておく。
コロナの影響で、外出や人に会うのが困難になってから、余計にそう思うようになりました。

ただ、それに気づいたからといって、「じゃあ出かけよう!」「人に会いに行こう!」とすぐには動けない、というジレンマ。

でも逆に言えば、当たり前が当たり前じゃなくなる状況を体験したからこそ、気づけたことでもあって。

前向きになるのは難しいときもありますが、とりあえず健康に生きてさえいれば、またいいことはあるはず。

好きな場所に出かけて、好きな人と会って。そんな日がまた送れるようになったら、今まで以上に毎日を大切に過ごせるような気がする。

そんな風に思いながら、コーヒーの最後の一口を飲み干し、店を後にしました。


大森「珈琲亭 ルアン」店舗情報

※全席禁煙です。

【今日のひとこと】

「いつか行きたいお店リスト」は、位置情報と一緒のほうが管理しやすいので、Googleマップのリスト機能で管理していますが、「やりたいことリスト」は手書きです。

使っているのは、ミドリのMDノート・方眼タイプ。手帳に挟んで持ち歩くので、シンプルで薄くて軽いところが気に入ってる。

調べてみたら、BUCKET LIST(死ぬまでにしたい100のこと)専用のノートもあるよう。
100個リスト形式で書くページと、「やりたいこと+自由欄(どうやって叶えるかを書く)」のページとに分かれているみたい。これもいいな〜。

やるべきことに追われていると、やりたいことをつい忘れてしまうから、なるべく書き留めておくようにしています。

ABOUT ME
中村 英里|てくてくレトロ編集長
フリーランスライター。明治〜昭和頃の喫茶店の歴史にまつわるコラムや、純喫茶の取材記事などを執筆。Twitter:@2erire7