【お取り寄せ】銀座・カフェーパウリスタ「森のコーヒー」でおうちカフェを楽しむ休日

お出かけもなかなかできない今日この頃。
自宅で純喫茶の味を楽しみたいなと思い、現存する日本最古の喫茶店「カフェーパウリスタ」さんから「森のコーヒー」をお取り寄せしてみました。

銀座「カフェーパウリスタ」お取り寄せ。森のコーヒーと月変わりコーヒーセット

銀座「カフェーパウリスタ」のコーヒーは、公式サイトからお取り寄せができます。

注文から6日で到着!
パウリスタのロゴ入りBOX、テンション上がります。

箱を開けると、丁寧なお手紙が。
「春らんまんのころとなりました」とあるので、季節によって文面は変えているんでしょうね。なんだかほっこり。

注文したのは、森のコーヒー(200g)+月変わりコーヒー (160g)のセットです。4月の月変わりコーヒーはさくらでした。我が家はミルがないので、挽きタイプ(豆を挽いて粉にしてあるもの)を選びました。

銀座「カフェーパウリスタ」|森のコーヒー誕生秘話

さて、ここで銀座「カフェーパウリスタ」の「森のコーヒー」についてちょっとした解説を。

カフェーパウリスタは独自の基準を満たす生産者を「森のコーヒー生産者」として認定し、契約栽培を行っています。森のコーヒーが生まれたのは、サント・アントニオ農園でジョン・ネット氏のコーヒーと出会ったのがきっかけだったそう。

一般的なブラジルの大規模農園は、熱帯雨林を伐採し、そこにコーヒー樹木だけを植えます。収穫量を増やすために生産を機械化し、農薬や化学肥料を使うそう。

パウリスタの社長・長谷川氏はブラジルに渡った際、サント・アントニオ農園を見て驚きました。コーヒー以外の他の樹木も生えていて、まるで森のよう。農園の持ち主であるジョン・ネット氏に話を聞くと、農薬・化学肥料はいっさい使用していないとのこと。

自然な甘み、明るい酸味、そして深い味わい。長谷川氏はブラジルコーヒー本来の魅力に満ちたジョン氏のコーヒーに惚れ込み、「森のコーヒー」が誕生しました。

銀座「カフェーパウリスタ」|森のコーヒーを淹れて、おうちカフェタイム

さて、前置きが長くなってしまいましたが、そろそろコーヒーを淹れてみたいと思います。

コーヒーを淹れるときの香りって良いですね。なんだか、心がほぐれる感じがします。

忙しいときはお湯に溶かすタイプのインスタントで済ませることも多いのですが、正直、お湯を沸かしてコーヒーを淹れる10分程度の時間が取れないほど忙しいことって、滅多にないんですよね。

つまり、時間的な忙しさではなくて、心の余裕がないということなんでしょう。
そんな時は、「自分は何に追われているんだろう?」と、冷静に今の状況を見つめるのが大切なんじゃないか……と思います。

抽出完了! ちょうどいい濃さに淹れられた気がします。

コーヒーは酸味がけっこうありますが、キツイ! という感じではなく、飲みやすいお味です。ゴクリと飲んだあとに、コクが口の中にふわっと残って、またもう一口飲みたい、となる感じ。おいしかったです。

ちなみに、コーヒーを淹れる道具を持っていない方は、HARIOのドリッパーとサーバーのセットがおすすめ。
1,000〜2,000円くらい(購入サイトによる)でリーズナブルだし、ドリッパーはプラスチックなので若干チープ感はあるものの、5年経っても問題なく使えています。

日本の現存最古の喫茶店「カフェーパウリスタ」創始者は、ブラジル移民の父・水野氏

箱に「日本の珈琲の歴史」とありますが、カフェーパウリスタさんは日本で最初の喫茶店と言われています。

日露戦争後、戦争の影響による経済悪化という問題を抱えていた日本。一方で、1888年に奴隷制度が廃止された影響で、労働力不足に悩んでいたブラジル。

By Guilherme GaenslyPinacoteca do Estado de São Paulo, Public Domain, Link

両者のニーズが一致し、1908年から日本人のブラジル移住がスタートしました。その際にサンパウロ州政府と移民契約のやりとりを行ったのが、カフェーパウリスタ創業者であり、ブラジル移民の父と呼ばれる水野 龍氏です。当時の移民は低賃金で過酷な労働……とかなり待遇が悪く、水野さんはその改善にも尽力されたそう。

By Unknown author – Museu Histórico da Imigração Japonesa, Public Domain, Link

1910年、水野氏はサンパウロ州政府からコーヒーを無償で提供されたのをきっかけに、1911年に大阪・箕面に「カフェーパウリスタ」の第一号店をオープン。そして翌年1912年に、銀座にパウリスタがオープンします。

カフェーパウリスタは銀座をはじめ、浅草、丸ノ内など全国に店舗を展開し、喫茶店全盛時代の礎を築きました。現在は銀座の店舗のみがあり、「現存する日本最古の喫茶店」と呼ばれています。

現存する日本最古の喫茶店「銀座カフェーパウリスタ」で伝統のコーヒーを堪能

ちなみに、日本最古の喫茶店として、上野の可否茶館(1886年開業・1890年には閉業)もよく名前が挙がりますが、こちらはトランプやビリヤードなどの遊興施設、シャワーもあったそうで、財界や文化人が集う社交場に近い存在だったそう。

何を「喫茶店」の定義にするかにもよりますが、現代のカフェに近い形で、手ごろな値段設定でコーヒーが飲めるお店はカフェーパウリスタが一番最初だったみたいです。

カフェーパウリスタがなければ、喫茶店でコーヒーを飲む文化も生まれなかったのだな……と思うと、なんだか感慨深いですね。

カフェーパウリスタの歴史については、こちらの本で紹介されています。
移民のお話やパウリスタを愛した著名人など、興味深い内容でした。ご興味あればぜひ。

「カフェーパウリスタ」森のコーヒーお取り寄せはこちらから

「カフェーパウリスタ」の森のコーヒーは、以下の公式サイトからオーダーができます。
クッキーやケーキなども買えますよ!

銀座「カフェーパウリスタ」店舗情報

※参考資料
書籍:日本で最初の喫茶店「ブラジル移民の父」がはじめた―カフエーパウリスタ物語
公式サイト:カフェーパウリスタの歴史

浅草出身のライター。「レトロ」を軸に執筆活動を展開。「和樂Web(小学館)」「びゅうたび(JR)」など各種メディアにて、明治〜昭和の喫茶店文化や食文化にまつわるコラム、レトロスポットの取材記事などを執筆。当Webマガジン「てくてくレトロ」主宰。