浅草 三社祭2024。歴史と賑わいを感じる特別な三日間

毎年5月に浅草で開催される三社祭。浅草神社の例大祭で、東京の初夏を代表する祭礼のひとつです。浅草が一年でもっとも活気づく日と言われています。

2024年の日程は、5/17(金)18(土)19(日)の3日間。今回は、18日の夜と19日の日中に浅草を訪れ、三社祭を楽しみました。

三社祭で大提灯が畳まれる理由

三社祭の時には、浅草寺の大提灯が畳まれます。これは、お神輿が通る際にぶつからないようにするため。初めて見る人は「何事?!」と驚くかもしれませんが、なかなか見られない珍しい光景なので、ぜひじっくり眺めてみてください。

ちなみに浅草寺には現在3つの大提灯があります。お神輿が通るルートにある雷門・小舟町の2つは畳まれますが、本堂のすぐ前にかかる大提灯(賽銭箱があるところ)は畳まれず、そのままです。

山車(だし)、お神輿の役割の違い

山車とは、祭礼の時に引いたり担いだりする出し物のこと。豪華な装飾と楽器の演奏が特徴です。神様のお供や先導をする役目を持つと言われています。

神輿は神霊が氏子町内へ渡御する際に一時的に鎮まる輿のこと。英語だとPrtable Shrine、直訳すると持ち運べる神社。なるほど。

上の写真は花二(花川戸二丁目)の町会神輿。実は私、昔花二に住んでいたので、なんだか懐かしい気持ちになりました。

浅草寺と浅草神社の関係

浅草寺と浅草神社は隣接しており、三社祭の時には浅草寺の境内をお神輿が通ります。

幼い頃から当たり前の光景だったので違和感を持っていなかったのですが、そもそも三社祭は浅草神社のお祭り。お寺=仏教、神社=神道、と異なる宗教なのに、なぜ浅草神社のお神輿が、浅草寺を通ることを許されているのか——?

それは、浅草寺と浅草神社のなりたちに理由があります。
その昔、漁師の兄弟2人が隅田川で漁をしている最中に、像が網にかかりました。その像が何なのかわからなかった2人ですが、持ち帰って村の長に見せたところ「観音像だよこれ!ご利益あるやつ!祀ろう!!!」ということになったそう。

現在浅草寺に祀られているのがその時の観音像で、浅草神社に祀られているのは漁師兄弟2人+土地の長の3人です。

珈琲アモールでひとやすみ

お神輿が次々とやってくる様子に大興奮しながらも、人混みの多さに一旦喫茶店へ避難することに。

仲見世の裏道を通り、訪れたのが「珈琲アモール」。ピザトーストを食べながら一息ついていると、お店の目の前をお神輿が通りました。浅草はいつもお祭りのような雰囲気がただよっていますが、三社祭の時期はさらに盛り上がります!

三社祭のお神輿は全部で何基ある?

三社祭の期間中、街中至る所でお神輿を見かけます。そもそもお神輿って全部で何基あるの?と気になって調べてみました。

浅草神社所有の宮神輿が3基、各町内の神輿が約100基、とのこと。つまり三社祭の3日間は、100基が町中をぐるぐると練り歩いているわけです。どうりでどこに行ってもお神輿だらけなわけだ、と納得。

現代と昔が交差する三日間

浴衣や半纏(はんてん)を纏った人々が街を行き交う、現代と昔が交差する三日間。
三社祭は、浅草の歴史と文化を感じられる特別なお祭りです。

時の流れとともに町は日々変化していきますが、浅草には今も江戸の空気が色濃く残っています。来年の三社祭にはぜひ浅草を訪れて、その魅力を体感してみてください。

浅草出身のライター。「レトロ」を軸に執筆活動を展開。「和樂Web(小学館)」「びゅうたび(JR)」など各種メディアにて、明治〜昭和の喫茶店文化や食文化にまつわるコラム、レトロスポットの取材記事などを執筆。当Webマガジン「てくてくレトロ」主宰。