合羽橋の純喫茶「珈琲オンリー」(西浅草)で“魔性の味”のコーヒー×厚焼きトーストを堪能

合羽橋道具街(西浅草)にある純喫茶「珈琲オンリー」。「マツコの知らない世界(TBS)」や「飯尾和樹のずん喫茶(テレビ東京)」など、テレビ番組にも多数取り上げられている有名店です。

看板に書かれた「魔性の味」が印象的な珈琲オンリーさんでは、自家焙煎のコーヒーや、浅草の老舗パン屋ペリカンのパンを使ったトーストなどが味わえます。

今回は、「マツコの知らない世界(TBS)」のバタートースト特集で話題になった、「厚焼きトースト」を食べてきました!

「ずん喫茶」「マツコの知らない世界」でも話題の純喫茶|西浅草/合羽橋「珈琲オンリー」

浅草の合羽橋道具街にある「珈琲オンリー」は、1952(昭和27)年創業の純喫茶。
店先の看板に書かれている「魔性の味」がなんとも印象的なお店です。

そもそも「魔性」ってどんな意味だったっけ……? と思い調べてみると、「魔物が持っているような、人を惑わす性質」とのこと。惑わされるくらいおいしいコーヒーがあるよ、ということなんでしょうか……! 期待が高まります。

珈琲オンリーはご夫婦でやられている小さなお店ですが、「マツコの知らない世界(TBS)」のバタートーストの世界や、「飯尾和樹のずん喫茶(テレビ東京)」の浅草編など、テレビ番組にも多数取り上げられている有名店です。

ちなみに、Google Mapで「オンリー」で検索すると、浅草5丁目と南千住、西浅草(合羽橋)の3店舗が出てきますが、ずん喫茶やマツコの知らない世界に出ていた「珈琲オンリー」は【西浅草(合羽橋)】にある店舗です。間違えないようにご注意を!

この記事では、【西浅草(合羽橋)の「珈琲オンリー」】をご紹介します。

【追記】
後日、合羽橋店のママさんに教えていただいたのですが、浅草5丁目店は合羽橋店のマスターのご両親が経営されているお店で、南千住店は昔から働いていた従業員の方が、のれん分けの形で開いたお店なんだとか。3店舗とも、合羽橋店で焙煎したコーヒー豆を使用しているそうです。

最寄駅は多数!(浅草・入谷・田原町など)|西浅草/合羽橋「珈琲オンリー」

西浅草/合羽橋の「珈琲オンリー」は、浅草駅以外にも最寄駅が多数あります。
各線最寄駅と、徒歩でのだいたいの時間を、まとめてご紹介します。

  • 【つくばエクスプレス】浅草駅から5分
  • 【地下鉄銀座線】田原町駅から8分
  • 【地下鉄銀座線/浅草線・東武線】浅草駅から12分
  • 【地下鉄日比谷線】入谷駅から13分
  • 【JR各線・地下鉄銀座線/日比谷線】上野駅から15分

※徒歩にかかる時間はGoogle Mapで算出

つくばエクスプレスの浅草駅が一番近いですが、地下鉄銀座線を使うなら、浅草駅よりも田原町駅がおすすめ。
地下鉄日比谷線だったら入谷駅が一番近いです。

上野駅からは15分程度と出ましたが、15分以上はかかるんじゃないかな……? と。上野からこのあたりまで歩いたことがありますが、けっこう距離があるので、おさんぽがお好きな方はいいですがそうじゃない方は他の駅を使うのが無難かと思います。

店内はくつろげる雰囲気|西浅草/合羽橋「珈琲オンリー」

「珈琲オンリー」の店内は、ザ・昔ながらの街の喫茶店! といった雰囲気。

昔ながらの純喫茶には、シャンデリアに真っ赤なベロアのソファー、といったゴージャス路線のお店も多く、もちろんきらびやかなお店も大好きですが、珈琲オンリーは落ち着きがあってくつろげる印象を受けました。

お店がある合羽橋エリアは、観光の中心地・浅草寺エリアほど混雑はせず、比較的落ち着いた雰囲気のエリアなので、街とお店の雰囲気が合っているな……と感じました。(休日には混み合いますが)BGMが流れていないのも、個人的には好きなポイント。

見えにくいですが、水のコップには「珈琲オンリー」のロゴが。

日本に喫茶店やカフェーが誕生したのは明治末期〜大正以降ですが、店を開業するのは実業家など資本力のある方が中心で、お客さんも上流階級の方々が多かった時代です(文豪や政治家、俳優など)。

1930年頃の銀座カフェーのようす。円内:カフェータイガー、円外:カフェークロネコ(国立国会図書館デジタルコレクションより)

一方、珈琲オンリーが創業した昭和20年代は、戦後の復興の流れで喫茶店が復活しはじめた時期。この時代には個人経営の喫茶店が多く創業し、またお客さんも上流階級ではなく一般庶民まで裾野が広がっていきました。珈琲オンリーも、おそらくこの流れで創業されたお店なんじゃないかと。

週末の珈琲オンリーは観光客の方も多く訪れるようですが、平日には地元の方々が中心に訪れる、いわゆる「街の喫茶店」。きっと、昔から長く通うお客さんもいらっしゃるのでしょう。お店にただようどこか温かい雰囲気は、珈琲オンリーに足を運んできたたくさんの人によって作られたものなのかもしれません。

厚焼きトーストうまあぁぁぁぁ|西浅草/合羽橋「珈琲オンリー」

珈琲オンリーでは、メニューは卓上に置いてある手書きのメニューボードのみです。
(初めて伺った時、「あれ、メニューが運ばれてこない、声かけようかな……」と一瞬迷ったのですが、みなさん卓上のメニューを見て注文されていたので、それに倣いました)

今回は「マツコの知らない世界(TBS)」のバタートースト特集で紹介されていた「厚焼きトースト」を注文!

厚焼きトースト600円、ブレンドコーヒー500円

厚焼きトーストに使用するパンは、浅草の超超超超〜〜〜有名老舗パン屋「ペリカン」のものを使用。
厚さは、だいたい6cmくらいの厚みにカットしているそうです。6cmは定規等で測っているわけではなく店主による目視とのこと。キッチリしすぎていないこの感じ、いい。

そして、切り込みが入れられたパンに大阪・リボン食品のマーガリンをたっぷり塗り込み、マーガリンの味をしっかりとパンに染み込ませるために2回焼いて完成!

「……ん、マーガリン? バターではなく??」と思った方もいるかもしれませんが、そう、マーガリンです。実は昔ながらの喫茶店のバタートーストには、マーガリンが使われているケースが少なくありません。

昔はバターは高級品だったので、「バタートースト」というメニュー名でもマーガリンを使うお店が多かったそう。そして当時からの店の味を守るために、ずっとマーガリンを使い続けている喫茶店が、今も多く存在しています。

もちろん、中には時代の流れの過程でバターに変えた喫茶店もあると思いますし、どちらがいい悪いではありませんが、珈琲オンリーさんは昔ながらの味わいを大切にしているお店なんだろうな、と感じました。

切り込みからトーストを割ると、表面はカリッ、中はふわもち……と、魅惑の姿を見せてくれました。あれ、「魔性の味」ってコーヒーのことだと思ってたけど、食事メニューも全部魔性なの……?

ふわもちなトーストのお姿にたまらずかぶりつくと、マーガリンの香りがふわりと広がります。トーストにしっかりと染み込んだマーガリンはほどよい塩気と風味があり、おおおおおおいしいいい!!!

コーヒーは昔ながらの喫茶店らしい、しっかりめのお味でおいしかったです。こちらもやはり魔性の味でした。

ソーサーにはお店のロゴが。ロゴ入りカップ&ソーサーやお水のグラス、コーヒー豆は、珈琲オンリーの楽天公式ショップで販売しています。
この日私が飲んだカップにはロゴマークがありませんでしたが、販売品にはカップ・ソーサーともにロゴが入っているようです。

酸味や苦味どちらかが強いということもなく、バランスのいい味に感じました。冷めるとやや酸味が強くなりましたが、酸味強めのコーヒーがやや苦手な私でもふつうに飲める程度なので、「めちゃくちゃすっぱい!」というわけではありません。

珈琲オンリーさんは軽食メニューのみなので、がっつり食べたい方というよりは「小腹を満たしたい方」向けかな、と。厚焼きトーストのほか、通常のトーストやホットケーキ、ホットドッグなどがあります。

注意点いくつか(卓上メニュー撮影禁止など)|西浅草/合羽橋「珈琲オンリー」

写真を撮ってもいいかと尋ねた際に、「メニューが写らないようにしてくれれば大丈夫ですよ」とのことでしたので、写真を撮る際にはご注意を。

また、ご夫婦2人でやっているお店なので、忙しい時には入店〜注文を取りに来ていただけるまで少し時間がかかることもあります。
ほかのテーブルにコーヒーを運んだり、入店した方を席に案内したりしている間はひとまず待っておいて、お水を持って来てもらうタイミングで注文するのがスムーズかな、と個人的には思います。

あとは、店先に張り紙がありますが、店内でのPCの利用はできません。

……と、いろいろと書いてしまいましたが、別に気難しいお店というわけではありませんのでご安心を。

実は初めてこちらに伺った際、店頭に「当店はただの珈琲屋なので、気の利いた物を食べたい方はほかのお店をおすすめします」と書いてあったので、「店主が気難しい系のお店か……?」とビビりつつ入ったのですが、まったくそんなことはありませんでした!

浅草さんぽの際はぜひ、珈琲オンリーさんへ。

浅草でおすすめの純喫茶をまとめた記事もありますので、よろしければこちらもどうぞ!

レトロな空間でほっこり。浅草の純喫茶5選【地元民おすすめ】

動画で紹介|西浅草/合羽橋「珈琲オンリー」

動画でも、珈琲オンリーをご紹介しています。こちらもぜひ。

【店舗情報】西浅草/合羽橋「珈琲オンリー」

【公式】「珈琲オンリー」楽天ショップ

浅草出身のライター。「レトロ」を軸に執筆活動を展開。「和樂Web(小学館)」「びゅうたび(JR)」など各種メディアにて、明治〜昭和の喫茶店文化や食文化にまつわるコラム、レトロスポットの取材記事などを執筆。当Webマガジン「てくてくレトロ」主宰。