コーヒーメニューが100種類以上!幡ヶ谷の純喫茶「ぽえむ」は地元民の憩いの場

レトロな喫茶店では、なんとなくパソコンを開きにくい。そんな気持ちを持っているのは、私だけだろうか?

パソコンを開いてカタカタと文章を打つのは、私にとっては心地いい時間なのだけど(締め切り前日は別)、のんびりくつろぐ人にとっては邪魔になるんじゃないか……と思ってしまうのだ。

だから、外でじっくり腰を据えて書き物をしたい時は、ドリンクバーがあるファミレスかチェーンのカフェに行くことが多い。

でも本当は、レトロな喫茶店でこだわりのコーヒーを堪能しながら、パソコンカタカタしたい!
そう思っていたら、仕事にも使えてのんびり過ごすこともできる、理想の喫茶店を見つけました。

高品質な豆にこだわるコーヒー専門店|幡ヶ谷「ぽえむ」

「ぽえむ」は、1966年創業のコーヒー専門店。
下高井戸と幡ヶ谷に直営店2店舗を構えており、フランチャイズも含めると、関東を中心に全国に約20店舗ほどがあります。

「ぽえむ」では、創業者が50年前に打ち出した「100%アラビカ」というポリシーのもと、高山地帯で収穫される高品質な豆だけを使っています。

現在も、ぽえむの焙煎職人は創業者のポリシーを受けつぎ、選び抜いた原料の香りを逃がさずにおいしさを凝縮する「小釜の直火式焙煎機」で毎日コーヒー豆を煎り上げているのだとか。

駅から徒歩30秒!地元民の憩いの喫茶店|幡ヶ谷「ぽえむ」

幡ヶ谷の「ぽえむ」は、駅からわずか30秒という好立地。北口を出て左に進み、最初の角を曲がったところにあります。

京王新線の幡ヶ谷駅は新宿から2駅と都心に近いものの、かなりマイナーな駅ということもあり、「ぽえむ」に訪れる客層も、幡ヶ谷に勤務先がある人や住民が中心です。

店内は茶系のインテリアでまとめられていて、落ち着いた雰囲気。レンガ風の壁に使い込まれた風合いの椅子や机が、レトロなムードを醸し出しています。

テーブルのガラスの下には、コーヒー豆がぎっしり。
これ、大森の純喫茶「ルアン」にも似たようなテーブルがあったけど、昔の流行りだったのかな?

贅沢な空間にうっとり。大森の純喫茶「珈琲亭ルアン」でピザトーストとコーヒーを

少し前に引っ越しましたが、幡ヶ谷に2年ほど住んでいて、「ぽえむ」にはその時によく通っていました。
パソコンを持ち込んで仕事をしたり、のんびり読書をしたり……。

冒頭に書いた通り、喫茶店ではなんとなくパソコンを開きにくい……と遠慮しがちなのですが、同じようにパソコンを開いて仕事している人もけっこういて、店員さんも気にする様子はなかったので、心置きなく作業することができました。Wi-Fiもあります!

店内奥には個室もあり、仕事の会議かな? と思われる2〜30代くらいの集団がよく利用していました。
かと思えば、地元のご年配の方が新聞を読んだり、待ち合わせに使ったりしている光景も。
幅広い客層が訪れていました。

コーヒーメニューは約100種類!フィルターにもこだわりあり|幡ヶ谷「ぽえむ」

幡ヶ谷の「ぽえむ」では、オーダーごとに一杯一杯、丁寧にコーヒーを淹れてもらえます。

ブレンドやシングルオリジン、アレンジコーヒーなど、豊富なコーヒーメニューを取り揃えています。その数、なんと約100種類!

食事メニューも、カレーやハヤシライスといったしっかり食べたい人向けのものから、ケーキやスコーンといったデザート系まで揃っています。

メニューのバリエーションが豊富なので、ちょくちょく通っても飽きないんですよね。

ペーパーフィルターにもこだわっている「ぽえむ」さん。
自社開発の「オリジナルウェーブドリッパー」を使用されていますが、+100円で「土佐和紙」素材のフィルターで淹れてもらえます。

土佐和紙のフィルターは繊維がきめ細かく、雑味の原因となるアクを取り除きやすいのだとか。

実際に、同じコーヒーを通常のフィルターと土佐和紙フィルターそれぞれで淹れてもらい、飲み比べたこともありますが、たしかに土佐和紙で淹れたコーヒーのほうがすっきりとした味わいでした。

コーヒー、デザートメニューを紹介|幡ヶ谷「ぽえむ」

幡ヶ谷に住んでいた間、数えきれないほど通っていた「ぽえむ」。
写真が残っている分だけですが、実際にオーダーしたメニューをご紹介します!

オベールス・ゲスプリット

オベールス・ゲスプリット  600円

濃厚なフレンチローストのホットコーヒーに、液状の生クリームを浮かべたメニュー。

かき混ぜずにそのまま飲むのがおすすめとのこと。最初から砂糖が入っているので、苦いコーヒーが苦手な方にもいいかと。

熱さに気をつけながらそっと飲めば、コーヒーと生クリームが層になって口の中に広がります。

ザラメが下の方に溜まっているので、最後に近づくにつれ、より甘くなっていきます。

アインシュパナー

アインシュパナー 600円

オベールス・ゲスプリットと似てますが、別のメニューです。
通常のコーヒーに、ホイップした生クリームが乗っています。いわゆる「ウィンナ・コーヒー」ですね。

ウィンナは「ウィーン風の」という意味で、「ウィンナ・コーヒー」という名前のコーヒーは、ウィーンにはありません。近しい飲み物として「アインシュペナー(パナー)」「カフェー・ミット・シュラークオーバース」といったものがあるそう。

日本のウィンナ・コーヒーは通常のコーヒーカップにホイップした生クリームを乗せたものが主流ですが、ウィーンの「アインシュパナー」はグラスで出されるそうなで、おそらくそれにならってグラスで提供しているんだと思います。

こちらも最初から砂糖が入っています。熱いのでお気をつけて。

ニューヨークチーズケーキ

ニューヨークチーズケーキ 単品500円/ケーキセット980円

クリームチーズを贅沢に使い、低音で蒸し焼きにしたニューヨークチーズケーキ。
添えてある生クリームをつけるとよりまろやかな味わいになります。

個人的には、コク深め、ちょい酸味のあるコーヒーが合う気がします。

チョコレートプリン

チョコレートプリン。値段はたしか3〜400円くらい

正式名称は忘れてしまいましたが、限定メニューとして一時期あった、チョコレート味のプリン。
上に乗ってるのは、柑橘系の何かのジャムだったかな……?(あやふや)

ジャムの味は記憶の彼方ですが、プリンのほうは、ほんのりチョコ風味のやさしい味でした。

コーヒー豆やスコーンの販売もあり|幡ヶ谷「ぽえむ」

幡ヶ谷「ぽえむ」では、コーヒー豆の販売も行っています。
お店で飲んで気に入ったコーヒーを、家でも飲めるのはいいですよね。

スコーンやシフォンケーキなどのお菓子類も販売しているので、コーヒーとお茶菓子を買って帰れば、自宅でぽえむ気分を楽しむこともできます。

幡ヶ谷の「ぽえむ」は、コーヒーもおいしいし店員さんも感じがいいし、とっっってもお気に入りのお店でした。

引っ越してしまったので、もうなかなか行く機会はないかもしれませんが、「ぽえむ」は関東を中心にいろいろな場所にお店があるようなので、見かけたら入ってみたいと思います。

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幡ヶ谷「ぽえむ」店舗情報


浅草出身のライター。「レトロ」を軸に執筆活動を展開。「和樂Web(小学館)」「びゅうたび(JR)」など各種メディアにて、明治〜昭和の喫茶店文化や食文化にまつわるコラム、レトロスポットの取材記事などを執筆。当Webマガジン「てくてくレトロ」主宰。